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MESSEGE

ごあいさつ

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【日本ハンドベル連盟会報No.48(2023年7月発行)より抜粋】

日本ハンドベル連盟

理事長 下田 和男

  私ごとで恐縮ですが、本年ハンドベルと出会いクワイアを立ち上げ指導を開始し40周年の節目を迎えました。

 1983年連盟創立より遅れること7年、当時在職校であったキリスト教系の和泉短期大学で寄贈された2オクターブのベルを用い、讃美歌のメロディーを奏でたことが始まりでした。当時は我が国のハンドベルの歴史が浅く、言わば未知の世界への挑戦でしたが、音色に魅せられ試行錯誤を繰り返しながらも、その魅力を極めるべく精力的に取り組みました。

 1年後の1984年、思いがけずアメリカ、アルカータ市フンボルト大学で開催される記念すべき第1回世界大会に参加する機会が与えられました。急遽、アメリカ行きが決まったことで急ぎベルを3オクターブ加え、5オクターブ編成としました。しかし、経験もなく、実績もなく、知名度もない学生チームでしたので大会への参加は、怖いもの知らずの行動でした。しかも準備の時間は短く譜読み程度で内容の伴わない不安な状態でした。案の定、日本から参加した他のチームの方々からは、白い目で見られ、マスリンギングの練習で指揮者の方々に迷惑をかけるなどいたたまれない状況でした。しかし、この大会に参加する機会を与えて下さり、全面的に応援下さった当時の申善珠事務局長の強力な後押しと励ましもあって、コンサートに出演するなど予定されたスケジュールを全てこなすことができ、その成果は想像以上のものだったのです。帰国後は、不安は自信に変わり、学生の現状認識と自覚とともにベルに関わる全てのことに積極的に取り組む姿勢も育まれ、チームワークも強力なものとなりました。私自身も目から鱗が落ちる体験でした。短期大学は学生の在学期間が短いのでクワイアの育成は難しいものがありましたが、その基盤も一気に確立し、挑戦し続ける姿勢と不屈の精神は代々のチームに受け継がれ、演奏活動の裾野も年々広がって行くこととなります。

 世界大会は英語ではインターナショナル・ハンドベル・シンポジウムと呼ばれます。アメリカと日本のハンドベル関係者によって発案され、国境を超えたハンドベルの一大交流イベントです。1984年にアメリカで始まり2年後の1986年には日本で開催されました。その後は、国際ハンドベル委員会の加盟国が1年おきに持ち回りで主催するようになりました。現在アメリカ、日本、イギリス、韓国、カナダ、オーストラレーシア、香港、シンガポールの国・地域が加盟し、昨年アメリカで開催された第20回世界大会で4周目がスタートしました。日本では1986年御殿場、1998年幕張、2010年大阪と過去3回主催しています。4回目となる第21回世界大会は、2024年8月12日~17日まで静岡県浜松市のアクトシティ浜松にて開催されます。なお、浜松では世界大会40周年の節目の大会となります。

 大会の主な内容は、各国代表指揮者による参加者全員が心を合わせて奏でるマスリングを始めとして、ベルやチャイムの演奏法や各国の文化を学ぶワークショップ、さらに世界のリンガーとの交流の時間など世界大会ならではの貴重な体験の場となります。今までに開催された国内外の大会に参加し、先にご紹介した事例のように急成長したチームや指導者を数多く見聞きしてきました。世界大会は、語りつくせない大きな力を秘めたしかも魅力のある大会なのです。会員の皆様にとって14年ぶりに日本で参加できる願ってもないチャンスです。この機会を逸することなく今から関心を持って参加を前向きに考えていただければ幸いに思います。長きに渡りコロナ禍で活動の停滞や休止を余儀なくされたチームにとってもこの大会は、そこから抜け出すチャンスです。連盟にとってもコロナ前の活気を取り戻し、会員のみならず一般に向けてもハンドベルの魅力を伝え、普及、発展につなげる最大の機会ととらえています。会員の皆様と共に1年後に迫った大会の成功を祈り、主催国としての責任を果たすべく盛り上げてまいりたいと存じます。2023年度もスタートいたしましたが今年度もハンドベルを愛する皆様のご理解と一層のご支援、ご協力をたまわりますようにお願い申し上げます。

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日本ハンドベル連盟 下田和男 理事長は、2023年8月28日に天に召されました。心より哀悼の意を表します

ご逝去のお知らせ  Announcement of the passing of our president, Kazuo Shimoda

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